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「たのもー!」
いつものようにアリアカンパニーに一人の火炎之番人の声が響き渡る。
そしていつものように中からアリアカンパニー唯一の水先案内人がでてくるのだった。
「今日も立派なもみあげだなもみ子よ!」
そういいながら灯里のもみあげ(?)を引っ張る暁。
「もみあげじゃないですってばー・・・今丁度お茶の準備をしていたところです。一杯、いかがですか?」
「うむ!おまえの入れる紅茶はまぁ美味しいからな」
その言葉を聞いて微笑む灯里。
いつもの挨拶。いつもの笑顔。
いつものように二人は中に入り、灯里は3人分のお茶とお茶菓子を用意して。
そして、いつものように談笑が始まる。
暁はふと、最近聞いた噂を思い出した。
丁度、噂の本人もいることだ。真偽を確かめようと灯里に問いかけた。
「おい、もみ子。最近風の噂で聞いたことなのが・・・おまえ、好きなやつ、いたのか?」
「は、はひっ!?」
そう、暁が聞いた噂とは、「アリアカンパニー唯一の水先案内人に思い人がいるらしい」という内容だった。
黒髪長髪で自分と同じ火炎之番人だというではないか。
同僚で、ここによく来ているやつなんか全く知らない。黒髪長髪を探してみたが見当たらない。
一人で考えて悶々としているよりは良いだろうと思い切って聞いてみたのだ。
「あの・・・それは・・・はい」
そういいながら、顔を真っ赤にして俯く灯里。
そんな姿さえ愛しいと思えてしまう自分が、なんだかおかしかった。
いつの間にこんなに彼女を好きになってしまったのだろう。
けれどその気持ちは伝えられぬまま、現在に至っている。
今の心地よい関係を壊したくなかったのかもしれない。
ここに来るようになって、二人(と一匹)で紅茶を飲みながら話すのが楽しくて。
自分の中で大切な時間になっていた。
だが、自分が悶々としている間に、どこぞの馬の骨が近づいているのだ。
「聞いた話では黒髪長髪の火炎之番人らしいではないか。同僚のようだから探してみたが・・・」
それを聞いてがばっと顔を上げた灯里は先ほどよりも幾分か頬が赤くなっている。
どこのどいつだ・・・などと唸っている暁。
そんなところも、この人の良いところだな。でも
「私のところにくる火炎之番人なんて、一人しかいないのに・・・」
思わず口に出していってしまった。
これは、『好きな人は貴方なんです』といっているようなものではないか?
恐る恐る暁の方を見てみれば、顔が見る見るうちに赤くなっている。
(ここにくる火炎之番人は一人だけ?そしてその火炎之番人が思い人・・・?)
鼓動が早くなっていく。顔が赤いのが自分でもわかる程、とても熱い。
ここに来るのは自分だけで。そして、その自分がもみ子の思い人、ということなのか?
暁が灯里の方を見ると、彼女は真っ赤な顔で自分を見つめ返してきた。
お互いどちらからということもなく、少しずつ近づく顔と顔。
唇がほんの少し触れた。瞬間暁は即座に離れた。
「っっっっ帰るっ!」
「え、あ暁さん!?」
灯里の制止も聞かずに、暁は足早にアリアカンパニーを後にした。
(な・・・なんだったのだ今のは!)
何故あんな行動にでてしまったのか。
いくら好きだからとはいえ、いきなりキスをするなど!でも・・・
(柔らかかったな・・・)
先程のことが頭に浮かび、少し冷めてきた顔がまた熱くなる。
「明日どんな顔をしてもみ子に逢えばいいんだ・・・」
そう呟きながら頭を抱え込んでしゃがんでいる姿は、傍から視ればとても変な人だった。
一人取り残された灯里はというと。
いまだに顔を真っ赤にして暁の出て行ったドアを見ていた。
そしてドアを見つめながら、
「アリア社長・・・ああ暁さんと、その、キスをしてしまいました!
明日どんな顔をして逢えというのでしょう・・・」
そういって灯里はアリア社長をきつく抱きしめた。
「ぷ・・ぷいにゅ~・・・」
きつく首あたりを締め付けられたアリア社長の悲痛な叫びは、今の灯里には聞こえなかった。
~後書きという名の言い訳~
私のARIA二次創作・・・暁灯里の初小説です。
原作を読んだときから何この二人いい!見たいな感じで・・・
ためしに検索したら同盟とか出たり・・・
で、小説やら絵やらを見ていたらどっぷり浸かっていました(笑
へたれな暁さんが好きです。というか、私が書くとへたれに。
ほぼ毎日通っているといいよ。うん。
時間軸は灯里が一人前になって2,3ヶ月といったところでしょうか・・・?
はい、書いてる本人が一番分かっていません(オイ