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いつものように灯里を呼び出そうと暁が電話をしたら、灯里ではなくアリシアがでた。
「あら、暁君?」
「あああああああアリシアさんっ!?」
「ごめんなさい、今灯里ちゃんちょっと熱を出しちゃって・・・私用事で出なきゃいけないの。
暁君、もしよかったら灯里ちゃんの看病してもらえるかしら?」
「アリシアさんの頼みとあらばっ!」
「ありがとう。じゃぁもう時間だから・・・お願いね」
「はいっ!」
こうして暁は灯里の看病をすることになった。
アリアカンパニーの屋根裏部屋──灯里の自室にいくと、灯里は寝ていた。
そんな灯里を、アリア社長が心配そうに見ている。
人の気配に気づいたのか、灯里は目を開けた。
「あかつき、さん?どうしてここに」
「アリシアさんに頼まれたのだ」
そういえば、アリシアさんがここを出る前にそんなこと言ってたかな、と思う。
「熱、計ったのか?」
「あ・・・まだです」
暁は灯里に体温計の場所を聞き、階下に探しにいった。
部屋を出て行く暁の姿を見ながら「・・・もっと熱上がりそう」と灯里は呟いた。
しばらくして、体温計を見つけた暁が戻ってきた。
「ほら、熱計れ」
そういって体温計を渡し、食欲があるかを聞く。
そうして、また階下へといった。
またしばらくして、戻ってきた暁が手にしていたのは、おかゆと風邪薬のようだった。
「もみ子、熱どれくらいだった?38度か。それくらいならまぁ飯食ってこの薬飲めば明日には回復するな。
俺様は小さい頃からこの薬を飲めばどんな風邪も一発で治った!」
熱いから気をつけろよ、といいながらお盆に乗ったおかゆを灯里に渡した。
「はひっ!ではいただきます」
息を吹きかけて冷まし、一口食べる。
「おいしい!暁さんはお料理上手なんですね」
「お世辞言っても何もでねぇぞ。・・・さっさと食って薬飲んで、寝ろ」
そういってそっぽを向いてしまった。
後ろからでも彼の顔が真っ赤なのがわかる。
「・・・はひっ」
おかゆを食べ終え薬を飲んだ灯里は、それから数分もしないうちに寝た。
その寝顔を見て、どきっとした。
(──何もみ子にときめいてんだよ俺っ!・・・でもこいつも一応「可愛い」の部類に入るのか?)
そう思い、まじまじと顔を見つめる。
今までもよく顔を合わせてはいたが、そうじっくりと顔を見ることはない。
伏せられた目は、まつげの長さがよくわかる。けれど、目にとまったのは少し開かれた唇だった。
口紅をつけているわけでもないのに赤い唇は、きっと熱のせいだろうと思う。
その赤さに惹かれるかのように、少しずつ顔が近づいていく。
そして、軽く触れた。
そこで暁は我に返りすぐに離れた。
(な、ななななな何をやっているんだ俺は!なんでもみ子にき、キスなんかを!!しかもこれは寝込みを襲ったも同然じゃないのか!?)
自分で自分がわからないとはこういうことだろうと思った。
少々自己嫌悪をしていると、がちゃ、と音を立てドアが開いた。
「あっかり~!お見舞いに着たわよ~」
藍華とアリスだ。
今日は合同練習の予定だったからアリシアが二人に連絡をしていたのだろう。
そして、そんな二人には予想外な人物が一人。
「!!!な、なんでポニ男がここにいんのよ!!」
「アリシアさんにもみ子の看病を頼まれたからだ。お前こそ何故いるガチャペン!」
子供染みた言い争いが始まったようだ。
そんな二人を横目に見ながら、アリスは灯里に声をかけた。
「灯里先輩、大丈夫ですか?」
「あー・・・アリスちゃん。うん、お薬飲んだからもう大丈夫だよ」
「それはよかったです。お見舞いにプリンを持ってきたので食べましょう」
皆でプリンを食べているとき、ふと暁と目が合った灯里が頬を紅潮させた。
けれど暁はまだ熱があるからだろう。そう思った。
でも、それはまた違う意味の熱だと彼が知るのはいつだろう。
~後書きという名の言い訳~
補足1:実は寝ていませんでした(笑
補足2:暁さんは完璧に寝ているものだと思っている。
補足3?:アリア社長はそばでずっと見ていた・・・
暁さんが灯里への思いを自覚する話を書くのが好きなんです(笑
授業中にせっせとしたためていたもの(オイ
てか、藍華ちゃんとアリスちゃんは勝手に上がりこむなよとか思うでしょうが、一応一言声をかけてからあがっています。
暁さんは別なことに集中していたので聞こえなかったんですねきっと!
ぷ、プリンの数?・・・き、きっと10個入りのとか買ってきたんですよ(適当すぎる